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2010年08月 アーカイブ

アメリカの経済事情 3

86、87年のドル安の下にアジアNICs(韓国、台湾、香港、シンガポール)の経済は輸出の急増から急拡大しました。


輸出の内訳も対米輸出が高水準で推移する一方、従来比較的低い伸びにとどまっていた対日輸出も大幅に増加し、また、比重は低いもののアジアNICs間の貿易も拡大しつつあります。


しかし、対米貿易黒字に代表されるようにアジアNICs側の貿易黒字の拡大は、先進国との間で貿易摩擦を顕在化させることとなりました。


こうして、アメリカを始めとする先進国から為替の切り上げ、市場開放等の要求を招くこととなったのです。


アジアNICsは、各々自らの国際収支の状況や産業構造を踏まえた上で、また、自らの発展と輸出の拡大が不可分であることを再認識した上で、こうした対外不均衡への対応が迫られているのです。


ドル安下でのアジアNICsの輸出の急増を概観した上で、強まる対外圧力への現在の対応を紹介します。


さらに、アジアNICsの発展における輸出の意味を再検討した上で、今後のアジアNICsの拡大均衡へ向けての対応を考えることにします。

アメリカの経済事情 4

85年に伸び悩んでいたアジアNICsの輸出は、86、87年と急増し、それまで恒常的な貿易収支赤字に悩んでいた韓国で黒字に転換した他、台湾では黒字幅が急拡大しました。


この輸出の急増の主因は、85年秋以降に急速に進行したドル安に伴うNICs通貨安と考えられます。


賃金コスト面で優位にあったNICs製品は、NICs通貨安により日本・欧州製品に比較して価格競争力を一層強化させたのです。


アジアNICsの輸出は85年の停滞から86年には急回復し、韓国で14.6%増、台湾で29.5%増、香港で17.4%増と高い伸びを示しました。


87年にも引き続き好調を持続し各々36.2%増、34.6%増、36.8%増と更に伸びは高まりました。


シンガポールでも86年には主要輸出品である石油関連製品の価格低迷から前年比減少であったものが、87年には非石油製品輸出の急増等から同27.5%の大幅増となりました。


アジアNICsの輸出先のシェアでは、アメリカ向けが最大であり韓国、台湾が約4割、香港、シンガポールで2~3割であり、次いで日本向けが多く、ヨーロッパ向けはまだ少ないのです。


87年の輸出についてみると、主要輸出先である対米輸出が前年比20%以上の伸びで高水準で推移する一方、対日本、対欧州、対アジアNICs向けも急増しました。


中でも韓国、台湾の対日本向け輸出は87年に各々55.5%増、53.2%増と地域別輸出で最も高い伸びを示した他、対NICs向け輸出もそれぞれ40.3%増、45.4%増と全輸出の増加率を上回りました。


なお、アジアNICsと日本との関係でみれば、最近でこそアジアNICsの対日輸出が急増したものの、日本はアジアNICsにとって最大の資本財、中間財等の供給者であり、アジアNICsの輸入の中で最大のシェアを占める国となっています。

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