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介護の大切なポイントその1

大切な存在である、と示し自尊心を傷つけないどんな小さなことでも、家族のなかで自分が役に立っているという思いはお年寄りの生きがいにつながり、何かしようという意欲もわいてきます。

さらに、家族からのさりげない感謝の言葉があれば、お年寄りは大切にされているのだと思い、自然にお互いのなかに信頼関係が芽生えていきます。

年をとると、食べ物をこぼしたり、物忘れをしたり、若い人から見れば気になること、目につくことが少なからずありますが、「だめねえ」「きたない」といった、自尊心を傷つける言葉だけは使わないことにしましょう。

こうした心配りは子どもに対するのと同様なのですが、自分の歴史を刻んだお年寄りはもっと微妙なニュアンスをかぎ分けられるわけですから、いつでも心の底に尊敬の念をもって接することが望ましいのです。

介護の大切なポイントその2

お年寄りのべースに合わせスキンシップも必要衣服の着替えや食事など、お年寄りのゆっくりしたべースは、時に若い人たちのイライラを誘います。

「早くしなきゃ」とせきたてたり、すぐ手を貸したりするのは、お年寄りの自尊心を傷つけるだけでなく、自分でしようとする意欲を失わせます。

「寝たきり」を防ぐには、できるだけ自分でできることは自分でしてもらうことです。

動かさないでいると、からだはやがて固まります。

お年寄りがかわいそうだから、あるいは見ていられないからといって、すぐ手助けしてしまうのは、お年寄りの能力を失わせるだけです。

介護の大切なポイントその3

どんなにゆったりペースでもできることは自分でしてもらうことが、何よりお年寄りのためなのです。

手伝いたいときも、ひと呼吸ぐっとこらえて見守ってあげましょう。

時にはスキンシップも必要です。

とくに配偶者を亡くしたお年寄りは、若い人たちが推測する以上に孤独感を持っています。

歩くときに後ろから腰を支えてあげたり、夜寝る前にぞっと肩に手を触れるだけでも、お年寄りは身体の温かさとともに心の温かさを感じるものです。

介護の大切なポイントその4

相手を変えようと思わず感謝されようと思わないことが大切です。

世代によって考え方に違いがあることは、いたしかたないことです。

普段のほんの少しの生活習慣の食い違いもしかたのないことです。

年をとると、からだもかたくなりますが、心もかたくなります。

日常生活上、たいして差のないことなら、お年寄りのやり方をそのまま認めてあげましょう。

変えようとするほど依枯地になることはお年寄りにはよくあることです。

介護の大切なポイントその5

相手を変えようとせず自分を変えていくと、やがて相手も変わってくれるということは心理学でもよくいわれています。

お年寄り相手の妥協は若さの証明、くらいに割り切りましょう。

懸命に世話をしているのに、何の反応もなかったり、逆につらくあたったりするお年寄りもいます。

これもわが身に振り返れば、身近な人ほど感謝の気持ちを言葉や態度であらわすのは照れくさいものであることがわかります。

安心している相手だからこそ、つらくあたるということもよくあることです。

こだわりなく、淡々とした気持ちでお世話するうちに気持ちは通じ合うものです。

介護の大切なポイントその6

ひとりで抱え込まないことが大切です。

先の見えない介護では、何もかもが中途半端で満たされない思いがするものです。

まして、ひとりで介護のすべてをまかなっていれば、心もからだも疲れ果ててしまいます。

嫁だから、娘だから当然、というには、あまりにも荷が重すぎます。

疲れ果ててしまう前に上手に手だてを講じることが大切です。

それにはまず、すべてをひとりで抱え込まないことです。

介護者として優等生になろうとせず、周囲に実情を知ってもらい、手助けしてもらえることは恥ずかしがらず率直に手助けしてもらいましょう。

介護の大切なポイントその7

ひとりで悲壮感を漂わせて苦労を重ねても、それがもとで家庭内がギクシャクしたのでは元も子もありません。

勇気のいることですが、長続きするためには割り切る心も必要です。

家族内に手があるときは、時間を決めて役割分担をしてもらいましょう。

こうした問題はなかなか切り出しにくいのですが、体験してもらって初めて理解できることもあるのですから、勇気をもって働きかけたいものです。

もちろん、その前に周囲で手助けを申し出る配慮がいちばん望ましいといえます。

介護のしかたについては、お互い小さなことには目をつむり、お年寄り本位に行うことを第一義に考えましょう。

役割の分担は当然のことであり、決して手抜きではありません。

介護の大切なポイントその8

公共福祉の有効利用をしt、心とからだにゆとりを持ちましょう。

明治や大正生まれのお年寄りには"お上の助けを受けない"とう考えの人もいますが、介護者あっての介護であり、共倒れを防ぐには利用できる公共福祉は利用するのが賢明です。

「家庭内のことは家庭内で解決する、他人の世話を受けるのは恥ずかしい」とい・フ考乏方は、現代のように家族の人数の少ない、そして一人ひとりが忙しい時代には無理なことです。

国や地方自治体のサービスは、年ごとに充実してきていますから利用しない手はありません。

一度は福祉事務所あるいは市区町村の老人福祉担当課に相談を持ち込みましょう。

たとえばホームヘルパーを頼めば、合理的なお年寄りの世話を教えてもらえるとともに、物理的な労働力を節減できます。

日常生活用具の給付でシャワーチェアの給付を受け、入浴の介助が楽になったという例もあります。

実家の法事に出かけるために、デイサービスを利用して、ひとときの命の洗濯をしたという例もあります。

こうしたサービスを受けることで、心にもからだにもゆとりが生じれば、お年寄りに対しても自然にやさしい気持ちがわき、ゆとりをもって、その後の介護にあたれるものです。

民間サービスなども状況に応じて利用できるものがいろいろあります。

介護の大切なポイントその9

訪問看護婦や保健婦と緊密な連絡をとることの必要性はすでに述べましたが、そのほかこうした人たちに聞いたり、市区町村の広報誌を見たりして、老人介護にかかわるさまざまな情報を収集し、より合理的な介護方法、心の持ち方を自分のものにすることもだいじです。

老人看護の講習会などは最近しばしば開催されているので、時間を作って参加してみましょう。

体験談を発表する講演会なども参考になることがよくあります。

情報の収集は家にいて行うこともだいじですが、出かけていって仕入れることも大切です。

当事者が出かければ、それだけ実情に合った情報が収集できますし、家から外に出ることで思いがけない気分転換になります。

そして困っているのは自分だけではない、という心の励みにもなります。

周囲の人は、こうした機会をできるだけ作ってあげて支援ことも必要です。

介護の大切なポイントその10

自分の時間を確保して、グチ相手も見つけることも大切です。

介護が長びくほど、自分の時間を作ることは大事なことになります。

一日のうちの何分間でも、一週間のうちの何時間でも、ともかく自分だけのための時間を作り息抜きをしましょう。

これはぜいたくではなく、精神衛生上、絶対必要なことです。

たまたま時間があったから自分のために使うのではなく、はじめから枠をとって自分のために使うのです。

これは、つぎの介護のための英気を養うことにもつながります。

他人の手を借りてでも実行したいものです。

できれば家を離れるのが効果的です。

スポーツや趣味を続けているのなら中止せず、少しずつでも続けていくことです。

ストレス解消の方策として、安心してグチを聞いてもらえる人もつくっておきたいものです。

心の内のわだかまりは、できるだけためておかないようにするのが賢明です。

家族に言いにくいことは訪問看護婦さんに聞いてもらうのもいいでしょう。

電話相談を利用する方法もあります。

ただし根本的に解決あしたい問題については家族みんなと率直に話し合うことが大切です。

その場合には信頼できる第三者に立ち会ってもらうこと、摩擦が起きにくいことも覚えておきましょう。

からんだ糸をほぐす、ひとりで考え込むより他人に相談するほうが効率的ということはよくあります。

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