アメリカの経済事情 4
85年に伸び悩んでいたアジアNICsの輸出は、86、87年と急増し、それまで恒常的な貿易収支赤字に悩んでいた韓国で黒字に転換した他、台湾では黒字幅が急拡大しました。
この輸出の急増の主因は、85年秋以降に急速に進行したドル安に伴うNICs通貨安と考えられます。
賃金コスト面で優位にあったNICs製品は、NICs通貨安により日本・欧州製品に比較して価格競争力を一層強化させたのです。
アジアNICsの輸出は85年の停滞から86年には急回復し、韓国で14.6%増、台湾で29.5%増、香港で17.4%増と高い伸びを示しました。
87年にも引き続き好調を持続し各々36.2%増、34.6%増、36.8%増と更に伸びは高まりました。
シンガポールでも86年には主要輸出品である石油関連製品の価格低迷から前年比減少であったものが、87年には非石油製品輸出の急増等から同27.5%の大幅増となりました。
アジアNICsの輸出先のシェアでは、アメリカ向けが最大であり韓国、台湾が約4割、香港、シンガポールで2~3割であり、次いで日本向けが多く、ヨーロッパ向けはまだ少ないのです。
87年の輸出についてみると、主要輸出先である対米輸出が前年比20%以上の伸びで高水準で推移する一方、対日本、対欧州、対アジアNICs向けも急増しました。
中でも韓国、台湾の対日本向け輸出は87年に各々55.5%増、53.2%増と地域別輸出で最も高い伸びを示した他、対NICs向け輸出もそれぞれ40.3%増、45.4%増と全輸出の増加率を上回りました。
なお、アジアNICsと日本との関係でみれば、最近でこそアジアNICsの対日輸出が急増したものの、日本はアジアNICsにとって最大の資本財、中間財等の供給者であり、アジアNICsの輸入の中で最大のシェアを占める国となっています。